ジャック(仮名)は26歳のとても礼儀正しいカナダ人の青年です。彼は内向的なためパンデミック中に友達や社会とのコミニケーションが遮断されたことをきっかけにどんどん家に篭るようになりました。
もともとビデオゲームが好きなので友達とオンラインゲームでコミュニケーションと取っていましたがなかなか直接会うことができない状況だったのでどんどん人に会わなくなってきました。
パンデミックはみんなにとって大変な時期だったよね
本当に。。。
父親からのプレッシャーと挫折
高校を卒業して親に勧められたエンジニアの大学に入り本人も親もホッとしていたのですが、その内容に全然興味を持てず1年間頑張ったのですが、最終的にやめてしまいました。
その時にお母さんは彼の考えを理解してくれたけどお父さんはなかなか理解しようともせずに「どうして続けられないんだ?あと3年我慢すれば安定した仕事につけるのに」とジャックはお父さんに責められた気持ちになり落ち込み、本人は今振り返ってみるとそれがきっかけでそのあと数年鬱になっていたんじゃないかというくらいでした。
ジャックのお父さんは医療系の仕事をしていて彼のお父さん(ジャックのおじいさん)は医者だったそうです。私のセッションを取ってくれている時も何度も「親とうちの家族のイメージのために。。。。」と言っていたのが印象的です。これがまさに「親から(ジャックの場合は父親から)埋め込まれた価値観」と言えるでしょう。
親から埋め込まれた価値観ってなかなか取り除くことが難しいんだよね
ボクみたいに元々期待されてないと楽だったよ(笑)
ある意味それも切ない。。。。
バランスの良いゴール設定
最初の2回のセッションは彼の性格や趣味、将来の目標などを知りながら一緒に「彼のやりたいこと」に向けてのゴールを見つける事です。
とは言っても、彼はまだ親と一緒に同居していて金銭的にもお世話になっている身なので「親のことは無視して自分のやりたいことをやろう!」なんてゴールは間違っても設定しません。
彼の気持ちややりたいことを尊重しつつ、両親もジャックのその気持ちを受け入れられるようなハッピーミディアム(バランスの取れた幸せ)を見つけるセッションを行っていきます。
ジャックは「お父さんは自分には素晴らしい職業を見つけて欲しいとは思っていないと思う。」とにかく学校を卒業して定職について欲しいと思ってると言っていました。そしてバイトもして欲しいと思っているとも言っていました。ジャック本人もそろそろバイトを始めないとなぁ。。。。と思っていたと言います。
ここはジャックとお父さんの希望が一致してる感じがするね
彼は1年半前に最後のバイトを辞めてそれ以来バイトもしていませんでした。彼を金銭的にサポートしているお父さんのその願いもリスペクトしつつジャックもハッピーになれる未来が見つかればみんなが幸せになりますよね。
ゴールその1:学校を終わらせる時期を設定する
最終的な学校の目標としては今取っているプログラムを2025年いっぱいで終わらせること。それはこのままの調子でいけば可能だと思うと本人が言っていました。
無理のないゴール設定。ジャックは自分でそれをわかってるような気がするね
私も彼のコーチングをやっていてそう感じていたよ
直近のスモールゴールとしてはバイトを手に入れるには何から始めたらいいかコーチングしました。スモールゴールの設定です。
私が聞いていると彼は頭の中ではちゃんとゴール設定ができているという印象でした。質問をすると答えがスラスラ返ってくるんです。
それでもどうしても明日やればいいや、来週やればいいやと後回しになってしまっていたそうです。やらないとお父さんに怒られる。。。。でもそのことを考えるとどうしても頭がネガティブになってしまうから考えたくない。。。。このまま黙っていればお父さんも何も言ってこないだろう。。。。何か言われてもお父さんの怒り収まるまではいはいと聞いていればその場は乗り切れる。。。。こんな感じの思考回路に陥っていました。
これがまさに「負のサイクル」だね。。。
その通り。。。。
ゴールその2:やりたいバイトをするには何から始めれば良いか考える
ジャックと私が決めた最初のゴールは彼がやりたいバイトに応募するにはどんな資格があったら有利になるかから考えていきました。2つの資格(1日で取れるもの)に彼は早速登録して、なんとその週のうちに2つのコースを撮り終えました。
次のステップは履歴書をアップデートすること。取得したその2つの資格を新たに追加して何店舗かに提出しました。次のセッションでは「やりたかったバイトに受かったよ!」と嬉しい報告をもらいました。そこで最初のゴールを達成して本当に清々しい表情になっていました。
このようにスモールゴールの達成が自信につながっていくんです。
小さなゴールを達成しながら少しずつ自信をつけていき自己効力感を上げていく。こんな小さな自信がたくさん集まって大きな自信になっていくんです。
ゴールっていうとなんか大きいゴールを設定しないといけないと思っちゃうけどそうじゃないんだね
全然!小さいゴールの設定でOKだよ
このゴールの達成は自己効力感を上げるだけではなく、もちろん収入もできるしお父さんとも関係も良い方に向いていくでしょう。
彼は2026年に日本旅行をしたいそうです。このバイトを手に入れることによってその夢にも近づきました。
彼の気持ちを想像したらあなたも嬉しい気分になってきませんか?これはあなたにも出来ることなんです。
あなたの最初のゴール達成の瞬間を想像してみてください。ウキウキしてきませんか?
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